エントラスのムードは好きなだけ変更が可能。
前回の記事に引き続き、今回も「女性目線による心地よい暮らし」をコンセプトにする「UR COCOCHI」のリノベーション住宅をご紹介します。
実はこの部屋には、いままでの住宅ではあまり見られなかった機能的な設計が3つあります。


そのひとつが、エントランスに設置された有孔ボード。これによって玄関に、自由に好きなものをレイアウトすることができます。使い方次第では、玄関をとても便利で機能的な空間にすることができるのです。例えば、鍵用のフックを設置したり、家を出た時間をチェックするための時計を吊したり。フェイクグリーンとミックスすることで、彩りと立体感を加えることも可能。気分が変われば、そのときのフィーリングに合わせて簡単にレイアウト変更ができるので、アート感覚でエントラスのムードを演出するのもおすすめです。
家族との情報共有はブラックボードで!
そしてもうひとつが、書斎の入り口に設置されたこちらのブラックボードです。



エントランスからダイニングに通じる通路に設置されたブラックボードには、床から天井まで記入スペースがしっかりと用意されています。家族との連絡用としてここに書き置きを残してもいいし、マグネットを用いてフライヤーなどを掲示するのもいいかもしれません。あとは予定の共有に使うのもおすすめです。
この写真にあるように、余ったスペースには近年注目されるチョークアートを施してみてはどうでしょうか? アメリカの作家、アンソニー・ロビンズの「THE SECRET TO LIVING IS GIVING(生きることの極意は与えることだ)」という言葉をモチーフに作品を描いてくれたのは、大門佑輔さんというアーティスト。チョークアートの他に、アクリルペイントによるアートワークやエナメルのサインペインティングなど、さまざまなドローイング・デザインを手がけています。最初は、大門さんのようにメリハリのあるグラフィックを描くのは難しいかもしれませんが、日々練習していけばきっと上達するはずです。
空間を上手に節約して書斎を広々としたスペースに。


そんなブラックボードの横に配置された書斎。カウンターのように横長で高さのある机を設置して、部屋のスペースを節約するのも手です。

そして、もう一方の壁に埋め込まれたラックマウントレールが3つ目の機能的ポイント。ラックに服をかけたり、棚を配置して物を置いたり、収納スペースを自由に組めるように設計されています。空間を広々と使えるように、ボックスを上手に利用して、普段なら隠してしまう収納をインテリアのように見せるテクニックはぜひとも盗みたいところ。



そんなボックスやインテリア雑貨の数々は、ウッド調のものやインダストリアルで無機質なアイテムで揃え、どこか暖かみのある雰囲気に。ところどころに配置した遊び心のあるフィギアや小物が秘密基地のようなノスタルジーを演出し、部屋の空気を居心地のいいものにしています。小さな気配りですが、その効果は絶大なのです。